ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

色々とこの映画のタイトルをもじってみたい衝動にかられている昨今。

(以下、ネタバレ)


観終わって最初に思ったのは「原作読みたい」ということだった。これが原作の持つポテンシャルを生かし切ったものなのか、ちょっとよくわからなかったので。正直、喋れないおじいさんというキャラクターはもっと話に絡んでくるんじゃないのかと。おじいさんと一緒に探し物をするくだりは、この映画で一番楽しいものだったけど。あと、オスカーがちょっと情緒不安定すぎやしないかと観ていて思った。クソガキとして描かれ過ぎてやしないかと。母親にオスカーが「あんたがあのタワーにいれば良かったのに」というくだりなんて、酷すぎて泣きそうになったわ。まあ、オスカーがそうなってしまったのには理由があって、というのが終盤描かれるのだけど。。

オスカーの冒険が未知の世界へのものではなく、母親による「はじめてのおつかい」であったことが分かるシーンはちょっと驚いた。頭の中でB.B.クイーンズが流れてしまった。

あとは、オスカーがあの出来事を「9.11」と呼ぶのに若干違和感があった。どこか客観的な、あの出来事を記号化しているような感じがしたけれど、アメリカではそう呼ぶのが普通ということなんだろうな。ただ、こちらの勝手な違和感をもとに読み解くと、オスカーはあの出来事を乗り越えることができなくて、そのために「9.11」とどこか客観的に呼ぶことで距離をとっているのだ、と。そう思うと合点がいったのでそういうことにしておこう。