ゼロ・グラビティ

昨日飲み会があって、しんどい中仕事終わりに鑑賞。とはいえそんなものを吹き飛ばすほどの凄い映画だった。

(以下ネタバレ)
ちなみに2D字幕版で観た。観て分かったけど、これは3Dでも観た方がいい、できればIMAXで観た方がいいなと。もちろん2Dでも映像の凄さに変わりはないのだけど、スペースデブリが襲来するところとかは画面の至るところに物体の破片が飛び散るので、3D映えすることは間違いない。あと視界いっぱいに広がる宇宙を体験するためにはIMAXの大画面がいいだろうし。

(12/26追記IMAX 3Dで2回目の鑑賞をしてきたわけですが、やっぱり凄かった。デブリ襲来のシーンとかはギョッとして思わず身をよじってしまわん限りの3D効果が存分に発揮された名シーンだったなと。若干体調が悪い中での鑑賞だったけれども、やたらと喉が渇いてしょうがなかったのはそれだけが理由ではないはず(笑)。2回目でも緊張感は相変わらずでした)


監督はアルフォンソ・キュアロン。「トゥモロー・ワールド」で見せた長回しでびっくりさせてくれたけど、今回もそれが至るところで炸裂していて、「トゥモロー・ワールド」以上に「その場に居合わせてしまった」感を味あわせてくれる。ましてや今回の舞台は宇宙空間なんで、普通なら絶対に経験することのできない出来事を追体験できる。これで1,200円は安すぎやで。。(レイトで観たので)


で、まあこれから映画の内容をひたすらぐだぐだと書いていく。書かずにはいられないので。


まず冒頭の、ギュワーンと音が盛り上がったところでポーンと無音の宇宙空間に放り出されるあの感覚。地球が大写しになっていて、やがて遠くの方から作業している宇宙飛行士たちがやってくる。無駄話をしつつ作業を進めていくが、突然スペースデブリの襲来に遭い、サンドラ・ブロック演じるライアン・ストーン博士が遭難してしまう。


ここまでの10分間くらいがワンカット。もうすっかり引き込まれてしまった。


その後も危機また危機で、開始30分くらいでジョージ・クルーニー演じるマット・コワルスキーが離脱してしまうという驚きの展開があったり(「トゥモロー・ワールド」のジュリアン・ムーア退場を思いだした)する。もう助からないのにストーン博士に指示したり励ましたり、挙句の果てに冗談もいうコワルスキーがカッコ良すぎる。


コワルスキーの助けもあって何とかISS国際宇宙ステーション)に乗り込むことができたが、間髪入れず火災が起きたりしてもう全く油断がならない。でなんとかソユーズに移って脱出、と思いきやパラシュートが絡まって逃げられない!やむなく船外に出てパラシュートを外そうとするも、ここで2度目のデブリ襲来!


ここが凄かった!もう観ていて「ちょちょちょwwおまww無理無理無理助からないwww」というぐらいグッチャグッチャにISSが破壊され(宇宙空間なので無音で!)、ただソユーズにしがみつくしかないサンドラ・ブロックが画面にちいちゃく。観てるこっちは口をあんぐりさせるしかない、近年ないくらい素晴らしいディザスターシーンだった。


でもう命からがら、なんとか中国の宇宙ステーションへ向かおうとしたら、ソユーズの燃料が切れている。。
それはもうサンドラ・ブロックだけでなく観ているこっちも「F○CK」といいますよ。どんだけ追い詰めればいいんだと。


駄菓子菓子。もう助からないと諦めたストーン博士のもとに、まさかのコワルスキー再登場!


「奇想天外なことが起きたんだ」


えええええ、と驚きつつも平気な顔してソユーズに隠してあったウォッカを飲むコワルスキー。そして「何をやってもダメ」というストーン博士にアドバイスをし、「地球へ帰るんだ」と言葉を残す。


ストーンが目覚めるとコワルスキーはおらず。夢だったのか、と思いながらもコワルスキーに勇気づけられたことで再び地球へ帰る決意をする。やーここで図らずも泣いてしまった。酸素が少なくなってストーンの意識が朦朧とする中でみた幻覚なんだけど、こういうシーンに自分は弱いんだな。「ジャンゴ 繋がれざる者」でも、ジャンゴが花畑かどこかで奴隷として奪われてしまった奥さんの幻影を見るシーンがあって激しく心揺さぶられたりしたのだけど、そういう「今ここにはいない、かつて身近にいた人物の幻を見て動揺したり決意を新たにしたりする」シーンが好きみたい。ただそれのみならず「ゼロ・グラビティ」では、このシーンが映画全体の中でも核になる場面となっていることもあるんじゃないかと思った。


でなんとかかんとか中国の宇宙ステーションに向かうんだが、宇宙ステーションはすでに大気圏に突入しようとしているという。これを逃してなるものかと消火器を使って必死の宇宙飛行を試みるストーン!乗れた!だがシステムは中国なんで全て漢字!「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」と運を天にまかせスイッチを押しまくってなんとかポッドで離脱成功!無事に助かるか、10秒後に大気圏で焼け死ぬか!


という感じで全編ダレ場のない緊迫した構成でたまらない。地上に無事着陸してもまだピンチが続いたりするし。ようやく大地に足を着けたときの、バアアアーンというオーケストラがたまらなく感動的で、その後スパっと「GRAVITY」とタイトルが出て終わるのもスマート。


あとはエンドロールにエド・ハリスの名前があって驚いたな。ミッション・コントロールの声だったんか。。「アポロ13」オマージュかなw