ヒューゴの不思議な発明

初日、つまり映画の日に観てきた。

(以下ネタバレ)
会社の同期と観に行ったのだけど、自分以外はつまらなかったらしい。
映画好きじゃないと面白くないんじゃないか、という感想も出たが、そうなんだろうか、と考え込んでしまった。

確かにこの映画、ファミリー向け映画という宣伝からは少し違っているような気もした。何も知らない子どもが見ても楽しめるかといえば、そうではないような気がする。

派手なアクションやスペクタクルシーンはあまりない。ヒューゴが分かりやすく大冒険するというわけではなく、へたすると主人公があのじいさん(ジョルジュ・メリエス)ではないかと思ってしまうくらいの地味さ。

いや、ヒューゴが駅員(サシャ・バロン・コーエン!)に追いかけられて、時計台の針にぶらさがるとか列車がヒューゴに迫りくるとかそういうアクションはあるのだけど、そこらへんもなんだかハラハラしない。そういう風に撮ってないから。

じゃあこの映画で描かれるものは何か。最新の3Dで黎明期の映画を再現する、というのも非常に大きな目的だと思うけれども、自分はあのじいさんが、昔の輝きよもう一度と復活する話、その中でヒューゴのアイデンティティーが取り戻される話として観て、最後サシャ・バロン・コーエンにつかまったヒューゴをメリエスが助けるくだりはすごくぐっときてしまった、と同時に、なんだか自分も何かを作りたいという思いに一瞬かられてしまった。残念ながら一瞬だけだったので、帰ってから一心不乱に漫画を描く、とかはなかったのだけど。そういう風な刺激を与えてくれる映画ではあったので、つまらないということはなかった。

あとは3Dの効果で一か所驚いたところがあって、サシャ・バロン・コーエン(この人だけ役名でなく本名で書いてしまってるが)の顔が大写しになってそれが眼前に迫ってくる様子が結構おお、と思った。もちろん黎明期の映画が3Dで、というのもすごかったのだけど。