米ホラー

米びつの中に、虫が居りました。
 あああれは、昼飯時のことでした。どれ飯でも炊こうかと、米びつからカップでひとすくいしましたところ、きゃつ(幼虫)は居りました。
 うぎゃあと私叫びまして、すくった米を思わず放り投げてしまいました。まあそれからが大変で、まだ米びつにはきゃつが居るはず、いいや居るはずだと間違った反語を使いながら米をボウルに分けて調べてゆきました。すると間もなく二匹目、三匹目ときゃつが…きゃつらが!
 十匹ほど発見しそいつらをビニール袋に移して、何とか完了しました。しかしあくまで米びつの分は、です。そのほかに、米びつに入りきらなかった五キロ程度の米があるのでそれも調べる必要がありそうです。それを思うとため息が出ました。気がつくと昼をとうに過ぎていたので、とにかく飯を食おうと思いましたが、今調べた米を炊く気にはなれなかったので、スーパーに行き弁当を買って済ませることにしました。米粒は食いたくねえなあと思いましたが、安かったのでつい納豆巻きを買ってしまいました。美味しかったですよ。
 実は五キロの方は調べてないんですよね疲れて…自分がこんなにヘタレとは思わなかったですよ。昼寝したら例の幼虫が夢に出てきて分かりやすいったらないです。晩飯はなんとかその米を炊いて食べましたが普通に美味いので困りものです。あと書き忘れてましたが、ビニール袋に入れた虫たちは腹立たしいので公務員講座のテキストたちによって潰しました。こういう用途もあるのですねあのクソ重いテキストには。ああもう夏は嫌ですよ。夏が好きなんて答える人はサマービーチしか思い浮かべてないのですよね。米粒の波を泳ぐノシメマダラメイガのことも含めて考えてみればいいのではないでしょうか。