絶園のテンペスト

咲-Saki-阿知賀編のために少年ガンガンを毎月買うようになってから、なんとなく気になっていた漫画が「絶園のテンペスト」だった。

(以下ネタバレ)
なんとなく読んでみて「これって物語の根幹にかかわるかなり重要なシーンなんじゃ。。」となったのが出会い。(ちなみにその回は、過去に葉風が戻って愛花と出会い、愛花を殺した犯人の真相が明らかになる回だった。ちょう重要回じゃーん)


そのときは「まあこれ多分読まないだろうからいいか」と思ってたが、まさかアニメを見てハマることになるとは。。ガンガンを読んだときのネタバレを覚えていたので、過去の記憶からネタバレされたという状況に。


それはともかく、この物語のどこが面白いと思ったか。キャラがとても魅力的(左門さん最高)とかあるが、話の構造的な部分の面白さが一番印象的かなあと。


絶園のテンペスト」は、すべての理を操るはじまりの樹と、それに立ち向かう人々の話なのだけど、それが作り手とキャラクターの関係を象徴しているように思える。作り手はお話をつくる人なので、そのお話に登場するキャラクターを制御しているといえる。そのお話がハッピーエンドならばいいのだけれど、キャラクターにとって悲劇であったなら、それはたまったものではないだろうなと。キャラクターにとって、作者は創造主で神様のようかもしれないが、そんな悲劇を押し付けられ、ただ黙って付き従うだけでいいのか。「絶園のテンペスト」に登場するキャラクター達は、神のように人々の運命を操るはじまりの樹に対し反乱する。そこらへんのメタな部分が面白いなあと思った。


そして、愛花が作中で言ったように、このお話はハッピーエンドで終わりを迎えた。確かに愛花は救えなかったけれども、この物語が彼女の死から始まったこと、彼女はメタ的な視点からこの物語を俯瞰する人物であったこと、そして何より吉野と真広が彼女の死に心の整理をつけられたこともあってうんぬんかんぬん。まあこれはハッピーエンドですよ。