ドライヴ

映画館で1回、輸入盤ブルーレイで3回。まだPS3からは取り出さないぜ。

(以下ネタバレ)
まずなんといっても冒頭10分のカーチェイスシーンが良い。というか一番好き。カーチェイスにつきものの派手なクラッシュシーンはなくて、ひたすら警察から逃れるために車を走らせる。停車、しかるのちアクセル全開!の静と動の繰り返しにニヤニヤがとまらない。

そこで運転しているのがライアン・ゴズリング演じる「ドライバー(名前はまだない、というか最後までない)」なんだけど、サソリの刺繍が入った銀のスカジャンに楊枝をくわえてという、中学生の頃の自分が思わずノートに描きなぐってしまいそうなくらい「カッコ良い」イメージで、観ている間は演出のうまさで気にならないのだけど今思うとあれって。。となってしまいそうな危うさがあった。俺もこれからは、食後5分間は楊枝をくわえてライアン・ゴズリングを気取ることにする。

そいでライアン・ゴズリングキャリー・マリガンが見つめ合っているうちに、キャリー・マリガンの旦那(「エンジェル・ウォーズ」の胡散臭いヒゲの人)が帰ってきて、どんどん怖いことになる。
そこまではとても抑えた静かな感じで進んでいたのに、ガーン!バーン!キキー!とどえらいことになる。見つめ合っていたあの時間との落差がすごすぎるよ、何あの血まみれの顔の人は!とショックを受けているうちにさらに事態はひどい方向へ。。

暴力シーンは確かにすごくて、突然引き起こされる暴力ってことでたけし映画と比較されたりするけど、たけし映画の暴力が見せる、全然関係ない市井の人まで巻き込む容赦のなさと比べると、ショッキングではあるものの背筋が凍るほどではなかったかな、と。それでも、ドライバーが敵の店に乗り込んでいってハンマーをポケットから取り出すシーンは、そこで鳴る「ジャーン(こうかくと三国志の銅鑼を連想するな)」というSE含めてゾッとはした。なるほどこれから暴力が巻き起こるわけですね!と深くうなずいてしまうことうけあいの名シーンだと思った。

あ、あとキャリー・マリガンの旦那を助けるためにドライバーが運転役を買ってでるシーンはすごい好き。冒頭の説明が繰り返されるあたりも、「きたきたきた、またカーチェイスが繰り広げられるわけですね!」と期待を高めてくれる。まあその結末はドン引きなのですが。