バイト

 バイトに採用されたので会場に行ってみると、そこには本が何ヶ所かに分けて平積みにされている長机とホワイトボードがあった。それぞれの本の山には番号が割り振られていて、ホワイトボードにはその番号が書かれている。それぞれの番号の山ごとに、本が何冊積まれてあるかを数えてその数をホワイトボードに書いていくというのが仕事のようだ。そんなの簡単だと思ったが、場内は異様なほどの緊張感に満ちていて、黒服の男たちは皆手に拳銃を持っている。まず爆笑問題の太田が、緊張した面持ちで2番の山の本の数を数えていく。2番にある本は8冊だ。数え終わるとホワイトボードに向かい、その数を書く。「7」。間違えた。黒服の男が拳銃を向ける。撃たれた。次は自分の番だ。震える手で3番の山にある本を数えていく。4冊。ホワイトボードに「4」と書く。間違えた。正解は3冊。黒服の男が拳銃を向ける。撃たれた。次は全然見たこともない人の番だ。その人は体を震わせながら5番の山の本を数えていく。ホワイトボードに向かい「2」と書く。違う。5番は1冊だ。黒服の男が拳銃を向ける。